会社の資産を「棚から卸して」数え直し、帳簿上の記録と照らし合わせる棚卸し作業。在庫や備品の数量や状態を確認する上で欠かせない業務です。
しかし、棚卸しのために通常業務を止めたり、別途人員を割いたりすることは、機会損失や生産性低下に繋がります。そのため、今ではほとんどの企業が、何らかの効率化アイテムや代行サービスを利用するようになっています。
そこで本稿では、棚卸しの外注化(アウトソース)を検討している人のために、棚卸し会社(代行業者)の比較・検討方法について解説します。
⇒ 棚卸しはプロにおまかせ。コンビベースの棚卸しアウトソーシングサービスとは?
目次
検討ポイント① 必要なソリューションを整理しよう
棚卸し会社への作業委託を検討する際のポイントとして、本当に外注化(アウトソース)がベストな選択かどうか、改めて確認しておくことが重要です。
というのも、弊社に寄せられる外注希望のお問い合わせの中には、外注化が真の解決にならないケースがよくあるからです。
ここでは、棚卸しを外注化すべきケースとそうでないケースについて、具体例を交えて解説していきます。
棚卸しを外注化すべきケース
外注化で解決できるのは、主に次の2つの課題です。みなさんの会社が抱えている課題が、次のどちらかに該当する場合は、外注化することで問題が解決する可能性が高いと言えます。
① 棚卸し作業を行う人的リソースに対する課題
たとえば、棚卸し量が一定でなく、作業量が急増した際に作業人員が不足してしまう場合。あるいは、棚卸し作業を行うのが一時期のみのため、棚卸し作業のためだけに人員を増やすことが難しい場合。
② 棚卸しの客観性・信頼性に関する課題
たとえば、棚卸しの現場作業、監督・評価をすべて自社スタッフで行っているために、作業の進め方や棚卸し結果に客観性が乏しい場合。あるいは、作業者の個人的な記憶や関係者の言動を頼りに棚卸しが行われてしまっており、棚卸し結果に信頼性が欠けてしまっている場合。
外注化以外のソリューションを検討すべきケース
一方、次のような課題を抱えている場合、外注化が解決策にならない可能性があります。
- 台帳や管理ラベルの運用ルールが守られていない
- 棚卸しの作業フローが整っていない
- 棚卸しの仕組みの作り方が分からない
これらの課題がある場合には、棚卸しコンサルティングを検討することをおすすめします。
- 棚卸しを効率化したい
- 棚卸しの精度を高めたい
という場合には、外注化以外にも管理システム・効率化アプリの導入(変更)が有力なソリューションとなることがあります。
検討ポイント② 棚卸し会社に委託する業務の範囲を検討しよう
外注化が最善の選択肢であることが分かったら、次にすべきことは、委託する業務の範囲を決めることです。
どの業務工程がボトルネックとなっているか分析し、外注すべき業務に優先順位をつけていきましょう。ポイントは、どこまでが「社内対応を許容できる業務」で、どこからが「絶対に外注化すべき業務」か明確にしておくこと。
代行サービスの対象範囲は、サービス提供会社やプランにより異なります。あらかじめ委託する業務の範囲を明確にしておけば、業者選定時に判断しやすくなります。
検討ポイント③ 棚卸し会社は対象物に応じて選ぼう
棚卸し会社を選ぶ際の注意点として、棚卸しの対象物によって選ぶべき会社やプランが異なる、ということが挙げられます。
外部委託を検討するような大規模な棚卸しの場合、対象物は基本的に次のどちらかになります。
- 在庫(棚卸資産)
- 固定資産
在庫の棚卸しと資産の棚卸しで選ぶべき会社は異なる
「在庫の棚卸し」と「固定資産の棚卸し」では、その目的や方法は異なります。必要となるツールや機材、ノウハウも異なるため、基本的には「在庫棚卸し」サービスを提供している会社と、「資産棚卸し」サービスを提供している会社は明確に分かれています。
稀に、両方に対応している会社もありますが、専門性という点では、どちらかに特化している会社の方に優位性があります。
棚卸し会社を選ぶ際は、在庫(棚卸資産)と固定資産、どちらの棚卸しを対象として強みを発揮できる会社なのか、注意する必要があります。
在庫と固定資産の違い 〜基礎知識のおさらい〜
在庫とは?
「在庫」とは、貸借対照表で「棚卸資産」に示されるもののこと。現金・預金や有価証券と並び、流動資産に区分される。固定資産とは?
「固定資産」とは、会社が保有する実体のある資産物品のうち、使用期間1年以上かつ取得価額10万円以上のもののこと。自社ビル、社用車、機械設備、PC、デスクなどが該当する。
固定資産の棚卸し会社(おすすめ)
固定資産の棚卸しに特化している棚卸し会社は、在庫の棚卸し会社に比べて多くありません。
私たち株式会社コンビベースでは、固定資産を含む資産物品の棚卸しに特化してサービスを提供しています。これまで、業界大手企業を含む100社のコンサルティング・500社のアウトソーシングを担ってきました。
ここでは、2020年に分社・新設したネットレックスフィールドサービス(NFS)が提供する、3つのコンサルティング・アウトソーシングサービスについて紹介します。
サービス1:資産棚卸しコンサルティングサービス
棚卸しを含む資産物品管理の仕組み構築を代わって実行するサービスです。
現場作業は社内対応可能なものの、具体的な方法や業務フローが定まっていない、最適なやり方が分からない、という企業に最適なプランとなります。
実施内容としては、たとえば次のような業務が含まれます。
- ヒアリング・カウンセリング
- 資産物品管理の基本方針設定
- 作業手順・業務フローの設計
- 管理ルール・管理規程の策定
- 作業マニュアル作成
- スケジュール設定
- 管理ラベルの設計・作成
- 管理台帳の整備
- 必要機材の確保
実施内容は、最終目的や予算規模に応じて柔軟に設定することができます。
サービス提供の流れとしては、ヒアリング・カウンセリング、管理対象・基本方針の確認等を経て、各種帳票・台帳・ラベル・マニュアル等を作成・提供します。現場でのシミュレーションや実演を交えた作業方法説明の実施も行います。
サービス2:資産棚卸し・現場作業支援(アウトソーシング)サービス
棚卸し業務を中心に、資産物品管理の現場作業全般を代行するサービスです。
棚卸しの現場作業を実施するリソースが足りない企業、社内対応したくない企業に最適なプランとなります。
実施内容は、おもに次の3つです。
- 資産現物調査および管理台帳作成(更新)作業
- 管理ラベル・ICタグ発行・貼付作業
- 定期棚卸し作業
サービス提供の流れとしては、事前打ち合わせ(1〜2回)、作業準備を経て、現場作業を実施します。作業終了後は、作業結果を集計し報告書にまとめます。
サービス3:資産棚卸し・管理運用支援サービス
新規購入した資産物品の情報登録、ラベル発行・発送、台帳情報の更新など、日常の運用管理をみなさんに代わって行うサービスです。
棚卸しの現場作業は社内対応可能なものの、日常の運用管理・監督リソースが足りない企業、社内対応したくない企業に最適なプランとなります。
データの受け渡し方法、実施時期・頻度(月次・四半期単位・半期単位など)は、要望に合わせて柔軟に設定可能です。
無料プレゼント・資料ダウンロード
棚卸し作業を効率化できるConvi.BASE(コンビベース)や棚卸し代行等のアウトソーシング・コンサルティングサービスについて詳しく知りたい方向けに、ご案内資料をお送り致します。
- 「自社と同じ業種・規模の事例を読みたい」
- 「デモンストレーションで使い方をもっと知りたい」
- 「想定している運用が可能かどうか知りたい」
- 「使用中のシステムとの連携可否をチェックしたい」
- 「今すぐ見積もってほしい」
任意の「ご質問・ご要望」欄に、例のようにご入力いただきましたら、担当者が必要な情報を収集しまして後日お知らせいたします。
ぜひお気軽に、物品管理のお悩み解決にご利用ください。
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在庫の棚卸し会社(おすすめ)
在庫の棚卸し会社は、固定資産の棚卸し会社と比べて数が多く、さまざまな業種の企業がサービスを提供しています。
特定の業界に強みを持つ業界特化型業者、地域密着型の業者、大手企業のみを顧客としている業者、他業態の付随サービスとして棚卸し代行を提供している業者まで、幅広い選択肢があります。
ここでは一般的に依頼しやすい棚卸業者の一部を紹介します。
株式会社エイジス(本社:千葉県千葉市)
棚卸代行ビジネスで国内シェア70%を占める最大手企業です。アジアを中心に海外でも事業展開を進めており、棚卸のみならず流通小売の各種業務代行・コンサルティングを提供しています。1996年にJASDAQ上場を果たしました。
サービス内容や営業拠点はこちらから確認することができます。
株式会社リージス・ジャパン(本社:東京都豊島区)
世界最大の実地棚卸業者RGIS(米国)の日本法人で、グローバルでは最大手とされる棚卸し会社のひとつです。世界各地の事業展開で蓄積した長年のノウハウと、最新のIT技術を駆使した棚卸しオペレーションを特徴としています。
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アセットインベントリー株式会社(本社:千葉県柏市)
一般的な実地棚卸代行サービスだけでなく、調剤薬局棚卸代行サービス、蔵書点検サービス、倉庫棚卸サービス、仮設資材棚卸サービスなど、棚卸し対象物ごとにプランを分けてサービスを展開しています。
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