社員証や入館証、セキュリティカードといったIDカードを利用して勤怠管理やセキュリティマネジメントを実施している組織は少なくありません。
従業員に配布するこれらのカードが、紛失や盗難の被害に遭った場合、企業側はセキュリティ面で大きなリスクに直面します。
本記事では、カード類の紛失を予防する方法から、社内での適切な管理方法まで、ポイントごとに解説します。
目次
社員証・入館証・セキュリティカードの紛失対策について
社員証や入館証、セキュリティカードなどのIDカードを従業員が紛失した場合、会社は「外部から第三者が侵入しても把握できない」状態になります。
企業内の会話や機密情報がさらけ出されている状態になることはもちろん、実際に第三者によるカード悪用の被害が発生した場合、情報セキュリティガバナンス上の問題として、取引先や株主の信用を失う恐れがあります。
企業の取引先からは、契約解除や賠償請求の可能性が高まり、株主からは経営責任を問われることになるでしょう。
社員証の紛失対応は従業員の負担にもなる
社員証や入館証について紛失や盗難のトラブルが発生した場合、カード無効化の緊急手続きが必要となります。
再発行手続きも含め、すべてを迅速に対応する必要があるため、人材情報やカード情報が一元管理されていない場合、担当社員の負担は大きくなりがちです。
人的コストや時間コストはもちろん、組織規模の大きい企業ほど経済負担も一定かかります。日頃からデータ整理と情報管理の方法について見直し、緊急対応マニュアルを整備しておきましょう。
社員証や入館証などのカードの管理方法【紛失防止策】
入館や勤怠に関するカードの紛失については、日頃の管理を徹底してあらかじめリスクを減らしておきましょう。
企業側は、予防や紛失に関するガイドラインを立てておくことが重要です。そのほか、クラウド上でセキュリティカードの情報を一元管理したり、スマートタグなどを利用し、有事の際にカードを追跡できるようにしておきましょう。
セキュリティカードの紛失対策の流れ
- 緊急対応ガイドラインを策定する
- 管理台帳を作成する
- 管理ラベルで所在管理する
上記3点の対策を基本にしてセキュリティマネジメントしましょう。以下で、順を追って解説します。
①ガイドラインの策定(紛失リスクと被害のコントロール)
拠点数が多く、従業員の数が多い組織ほど、セキュリティカード類を紛失するリスクが高まります。
そのため、拠点別に緊急時の対応策をあらかじめ策定しておき、それを周知しておくことが重要です。
- 組織が紛失の事実をリアルタイムに把握するための環境を整える
- 関係各所へのレポートラインと担当者を定めておく
- 担当者は緊急時、リスクを排除するための応急処置を実施する
- 処置後には原因を究明し、再発防止策を考案する
リスクコントロールの基本順序は上記のとおりです。事前に、紛失による悪影響をある程度コントロールすることは可能です。担当者・責任者・経営陣の各者が、どのレベルの意思決定を行い、それぞれ何を実行すべきか、ガイドライン上で具体的に定めておきましょう。
②管理台帳の作成(管理システムの導入と運用)
日常的にセキュリティカードに関するデータを一元管理しておきましょう。
緊急時には、どの従業員に配布しているどの種類のカードを何枚紛失したのか、そのカードはどの場所の鍵となっており、機能を停止した場合、どれほどの範囲にまで被害が及ぶのか、などの情報を瞬時に把握する必要があります。
所有者とカードを紐づけて台帳上で管理しておけば、ほぼ正確にカード管理を実行できます。紛失対策はもちろん、退職者からの返却漏れ防止などにも寄与するでしょう。
データの更新や編集のしやすいよう、オンライン台帳やクラウド台帳と呼ばれるリアルタイム更新が可能な台帳を導入することをおすすめします。
③管理ラベルの設定(現物管理に役立つツール導入)
定期的に社員証や入館証、セキュリティカードの棚卸しを実施し、現物確認しましょう。
保管場所に戻されていないカード類や鍵がないかどうかをチェックし、紛失予備軍の洗い出しや、返却忘れのカードの存在を確認します。
管理ラベルを発行し、あらかじめカードに貼り付けておくと便利です。ラベル情報と台帳情報を照らし合わせ、目視確認しましょう。
社員証の棚卸しを半自動化できる自動認識技術とは?
何百枚ものカード類の棚卸し作業を自動的に完了できるシステムがあります。
物品管理システムのConvi.BASE(コンビベース)なら、スマホやハンディスキャナーをかざして、管理ラベル(QRコードやICタグ)をスキャンするだけで、目視確認や台帳情報との突合といった面倒な作業を省略することができます。
入館証や社員証、セキュリティカードや鍵類はもちろん、オフィス内の備品、固定資産、IT資産、消耗品、重要文書、工具など、すべての物品をひとまとめに管理することが可能です。
スキャンするだけ!社員証の保管場所や使用状況をいつでもチェック
社員証・入館証・セキュリティカードなど、セキュリティガバナンス上の重要なカード類を、いつでもどこでも、スマホひとつで所在管理できます。
部屋の予約状況や、入館証の使用状況、鍵の貸出状況など、すべてのデータはオンライン台帳で一元管理されます。どのデバイスからも編集可能です。
ICタグ(RFID)で紛失対策も可能
万が一、返却漏れや紛失が生じた際には、ICタグを利用してカード探索することもできます。
ICタグを社員証などに貼り付けておけば、レーダー検出機能でタグのある方向や距離を把握することが可能になります。
社員証管理における情報漏えい対策の方法
情報漏えいなどセキュリティ上のトラブルを防ぐために、紛失時の行動について、従業員にあらかじめ周知して徹底させましょう。
マニュアル形式で書面化しておけば、新規入職者も効率よく内容を理解することができます。全社的に緊急時の行動をもれなく統一しておきましょう。
この章では、マニュアルの作成方法や従業員に周知する際の注意点を解説します。
紛失対策における従業員の役割と責任
情報システム責任者など社内のセキュリティに関する担当者を中心に、レポートラインを設計し、混乱なく担当者が指揮できる環境をあらかじめ整えておきましょう。
トラブルが生じた際には、最速で「止血」できるよう、緊急対応の手順をわかりやすく設計しておき、もれなく周知しておくことが重要です。
リスクの排除だけでなく、実際のトラブル時には、原因究明や再発防止策の策定も必要になります。各従業員の役割を明確にし、原因の特定や責任の所在について速やかに明らかにできるよう、履歴を残しておきましょう。
マニュアル・ガイドラインの作成方法
従業員に配布する緊急対応マニュアルには、社員証やセキュリティカードの紛失によって発現するリスクを定義し、それを完全に排除するまでに実施すべき事項を、箇条書きでまとめるとよいでしょう。
「総務担当が物理鍵で扉を施錠する」「セキュリティ責任者がセキュリティカードを無効化する」などの行動が、具体的なゴールとなります。
人の判断を介在させないようにガイドラインを策定することがポイントのひとつです。緊急対応の手順に、紛失者の主観的な判断を介在させる余地をあたえたり、上司の意思決定をあおぐ手順を挟んでしまうと、対処のスピードが遅くなる恐れがあります。
遠隔地では特にビジネスリスクが発生しやすい
自社内で勤務する従業員のカード紛失対策は簡単ですが、たとえば従業員が派遣先でセキュリティカードを紛失したり、委託先で顧客のカードを紛失して騒動が起こった場合などには、遠隔的な対応となるため、ガイドラインの徹底がより重要になります。
自社のエンジニアをクライアントの膝元に常駐させていたある企業の事例では、常駐先でエンジニアが入館証を紛失してしまい、その際に個人的な対処を行ったことで問題が発生しました。
事故原因の従業員が、取引先に紛失事実を直接報告してしまい、会社よりも先に事態を把握した取引先から「紛失事実を会社として把握できていない」ことを問題視され、契約に影響が生じる結果となりました。
従業員に対するガイドラインの徹底は、自社の評価につながることを心得ましょう。
社員証・入館証の管理台帳の作成方法
物品管理システムや鍵管理システムと呼ばれるシステムを導入することで、管理台帳はかんたんに作成することができます。
両者の機能を兼ね備えているConvi.BASE(コンビベース)では、クラウド上での台帳作成はもちろん、スマホやタブレットでの編集・参照機能、探索機能、アプリでかんたんに実行できる棚卸し機能まであります。
カード類はもちろん、固定資産管理や備品管理、在庫管理、消耗品管理などにも利用することができます。すべての情報を一元管理することで、オフィス内の管理業務全体の効率化を図れるでしょう。
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