固定資産管理では、「固定資産ラベル」や「資産管理シール」などと呼ばれるラベルシールを管理対象物品の表面に貼り付けて管理を運用します。
今回の記事では、固定資産の現物管理を効率化する方法として、管理ラベルの作成方法や貼り付け方のコツ、棚卸し業務におけるラベルの運用方法などをご紹介します。
目次
「固定資産ラベル」「資産管理シール」とは?
固定資産物品の現物管理には、管理番号やバーコードなどを記載した専用のラベルシールを貼り付けます。
棚卸しや貸出しなどの日々の業務の際には、管理番号を目視でチェックする、もしくはバーコードを読み取って処理を行います。
ラベル記載事項の例
ラベルシールの余白には限りがあるため、個々の固定資産を判別するために必要な最低限の項目をわかりやすく記載します。
通常は、「固定資産管理番号」や「製品名」を記載します。そのほか、「取得日」「保管場所」などの予備情報もあわせて記載しておくと便利に活用できるでしょう。
固定資産管理に使えるラベルシールの種類
固定資産管理に用いるラベルシールのタイプは多種多様にあります。組織が使いやすい形状を選んで導入しましょう。
たとえば、記帳のしやすさに特化したものもあれば、棚卸し作業の効率化に一役買うタイプのラベルもあります。この章では、一般的に導入しやすい資産管理用のラベルを3種類ご紹介します。
固定資産ラベルの種類1.基本を網羅したオーソドックスなシール
どんな組織にも導入しやすい基本の固定資産管理ラベルです。シールの表面に直接、「固定資産管理番号」や「製品名」などの基本情報を目立つように記載するため、従業員への貸出し時などには台帳と情報を突合しやすいというメリットがあります。
「取得年月日」と「耐用年数」の目安も記載しておくことで、修理や廃棄など、固定資産物品のステータスを変更する際にも失念するリスクを軽減することができます。
余白が大きい分、棚卸し作業時にはラベルの上に印をつけることもでき、効率化に役立ちます。
固定資産ラベルの種類2.棚卸しに使えるチェック欄付きシール
棚卸し業務の効率化に特化した固定資産ラベルです。ラベルシールの余白部分にチェック欄を設け、目視確認の漏れを予防します。
台帳情報との突合作業が済んだら、チェック欄にわかりやすく記号を付けておくことで、棚卸しの二次チェック作業にかかる時間を短縮することができます。
数年分の枠を作っておけば、どの年度の棚卸しで確認されている物品であるかもひと目でわかるようになり、さらに便利になるでしょう。
固定資産ラベルの種類3.自動認識技術を採用したスキャンシール
スマホやハンディスキャナーを管理ラベル上のバーコードやQRコードにかざし、システムがコードを読み取ることで、スマホからかんたんに台帳情報にアクセスしたり、棚卸しの現物確認を自動化できるシールです。
システム側が台帳情報と現物情報とを突合するため、わざわざ手作業で棚卸しをしたり、貸出し管理をしたりする必要がなくなります。
固定資産物品に管理ラベルやシールを貼る理由
組織内のすべての固定資産物品には、基本的には固定資産管理番号を記載したラベルを貼り付けます。
資産管理用のラベルは、なぜ必要なのでしょうか。ラベルシールの使い方や意味について、以下に解説します。
ラベルの必要性1.棚卸し作業の現物確認に使用する
少なくとも年に一度、事業所によっては数回にわたり、棚卸し作業はくりかえされます。
作業中は、固定資産物品に貼り付けた管理ラベルをもとに、現物を識別することで、ステータスが確認されます。もしもラベルがなければ現物を識別することがかなわず、棚卸し業務を遂行することは困難になるでしょう。
ラベルの必要性2.固定資産物品の貸出し管理に使用する
たとえばPCや社用スマホといった個人に配布されるIT機器は、物品を個別に識別できなければ、正確に貸出し状況をチェックできなくなります。
いつ、どの物品を、だれに貸出し、通常どこのフロアや部署で使用されているのか、オンライン台帳と管理ラベルを連携させて、リアルタイムに把握できると便利になります。
貸出し管理にも対応した固定資産ラベルを導入すれば、組織内に散らかっているあらゆる固定資産物品の使用場所や使用状況を把握し、効率のよい予約管理や返却管理が可能になります。
資産管理シールを貼り付ける場所や位置の基本
固定資産管理を開始する際には、統一的なルールに準じてラベルシールを貼り付けましょう。
もしもガイドラインが定められておらず、物品のさまざまな位置に管理ラベルが貼り付けられてしまうと、棚卸し業務中にスタッフが混乱する恐れがあります。
事前にかならずルールを定め、従業員に周知して共通理解を得ておきましょう。
ラベルシールは「見やすい位置に貼る」
どのスタッフが目視チェックする際にも、一目でわかる位置に貼り付けることが基本です。
棚卸し作業時はもちろん、資産の移動、貸出し、メンテナンス、廃棄など、ラベルシールは多岐にわたり活用されます。
そのたびに棚の中身をあさったり箱をひっくり返したりする手間のないよう、即座にラベル内容を確認できる位置に貼り付けることがポイントです。
スキャンシールを採用する場合の注意点
バーコードやQRコード付きのラベルシールを用いる場合には、ハンディスキャナーもしくはスマートフォンを使って読み取りを行うことになります。
効率よくスキャンしたいなら、手間が省ける場所にあらかじめ貼り付け、機器をかざすための時間を短縮しましょう。
シールを貼り付けられない物品に対する貼り方のコツ
たとえば物品の表面にラベリングの余白がなかったり、物品自体が凹凸であったりして直接ラベリングできないケースがあります。
そのような固定資産物品に対しては、カード形式にして吊るすなど、工夫が求められます。例外的な物品に対する管理ラベルの貼り方について解説します。
具体例1.IT機器のケーブルに固定資産ラベルを貼り付けたい場合
PCやルーターなど、オフィスによくあるIT機器のケーブルに直接ラベルを付属させたい場合、プレートの採用をおすすめします。
プレートに管理ラベルを貼り付け、結束バンドで固定すれば、剥がれ落ちる心配がありません。
大量のケーブルを保管している場合には、プレートをまとめて保管棚に吊るしても便利に使えます。
具体例2.社外に何度も持ち出されてシールが剥がれる場合
屋外で頻繁に使用される物品や、従業員が日常的に携帯している物品は、摩擦の影響でラベルシールが剥がれやすくなります。
ラベルの擦り切れなどを予防するために、ラミネートシールを貼って保護しましょう。ラミネート加工すれば、耐久性が向上し、剥がれにくくなります。
そのほか、保管庫の湿気や水滴などの被害に悩んでいる場合にも、同様の方法で対処できます。
固定資産管理ラベルシールの作成方法
固定資産管理のためのラベルシールは、手作業でも作成できますし、専用ソフトを使って一括でらくらく作成することも可能です。
ただし手入力で一枚一枚、シールのデータを作成する場合、膨大な時間がかかることを覚悟しましょう。保有資産数によっては人海戦術での対応が求められます。
手作業・手入力で固定資産シールを手作りする方法(Word)
Wordなど普段お使いのソフトウェアで、固定資産管理用のラベルシールを手作業で作成することができます。
資産データを一品ずつ確認し、Word上に入力します。入力したデータをレイアウトして、シール用紙に印刷しましょう。
ほとんどの場合、オフィスプリンターで印刷できますから、ローコストで管理ラベルを作成できます。
固定資産物品の保有点数が少ない組織であれば、特段問題なく運用できるでしょう。
物品管理システムを使えば、大量のラベルシールの作成も印刷も楽ちん
物品管理システムのConvi.BASE(コンビベース)なら、日常で使用している固定資産台帳の情報をそのまま、ラベルシールとして作成・出力可能です。
まとめて作成も印刷もできるので、手間がかからず、作業を大幅に省力化できます。
QRコードやICタグなど、ご希望に応じてさまざまな形態のスキャンラベルを採用できます。詳しくは製品の機能をご覧ください。
固定資産ラベルの作成・印刷・貼付のすべてを外部委託できる
固定資産管理を開始したり見直したりする場合、はじめに組織内のすべての資産に、ラベルシールを貼り付ける必要があります。
資産点数が膨大な組織は、初期にかかる作業のすべてをアウトソースすることをおすすめします。
物品管理を専門とした Convi.BASE(コンビベース)では、固定資産管理のアウトソーシングサービスも実施しております。
台帳作成、ラベルシール出力、貼り付け、棚卸し用のガイドライン作成など、細々とした作業のすべてを依頼可能です。物品管理システムの利用とあわせ、ぜひ一度、参考にしてみてください。
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