固定資産の棚卸しや、商品在庫の棚卸しなど、実地棚卸業務に従事する機会は思いのほか多くあります。
年に数えるほどしか機会がないとは言えど、一回の業務負担がはてしなく重い棚卸し。
棚卸しを実施する意味や目的、管理台帳の作成方法、棚卸しの実施方法などを確認しましょう。
目次
棚卸しとは?棚卸しの意味を簡単に解説
棚卸しとは、資産を「棚から卸して」数え直す、という意味の作業です。
組織が保有している固定資産や在庫などを実地調査します。現場まで資産の状態を直接確認しに向かい、帳簿上の記録との間にズレがないかチェックして修正します。
何を棚卸しするの?
- 固定資産物品、オフィス備品
- 商品在庫
- 消耗品、部品
- ユニフォームなどのリネン類
- 契約書などの文書類
棚卸しの対象物は多種多様にあり、組織の保有状況によって実地調査の対象は異なります。
何のために?棚卸しの実施目的
なぜ固定資産物品や在庫物品の保管状況を正確に知らなければならないのでしょうか?
一般的には以下3つの目的を持って棚卸し業務は実施されます。
- 無駄な経費の削減
- 税額の算出および節税
- 資産の不正利用や情報漏洩の予防
目的1.経費削減
棚卸しの第一の目的は、経費削減です。とくに固定資産は「事業の用に供する」ことを前提とする組織の財産ですから、財産が有効活用されているかどうかを定期チェックする必要があります。
死蔵された遊休品が発生していないかどうか、無駄に新規購入をくりかえしている物品がないかどうか、など有効活用できていない資産の存在を明らかにしましょう。
目的2.節税
第二の目的は、節税です。棚卸しを通じて不要な資産を洗い出すことにより、固定資産の除却処理を正確に実施することができます。
固定資産を廃棄する際には、除却処理を行うことで帳簿残高を固定資産除却損として経費計上できます。
取り壊し費用など、除却にかかった費用も含めることができるため、固定資産除却損の金額は思いのほか大きくなることもあります。
目的3.内部統制
棚卸しには、社内財産の不正利用や、情報セキュリティ対策という目的もあります。
たとえばPCを紛失したままだったり、従業員が持ち出したままでいる場合、機密情報の漏洩につながる恐れがあります。
コーポレートガバナンスに通じる情報セキュリティ対策として、物品のステータスを正確に把握しておく必要があります。
棚卸しの種類
棚卸しは作業の目的別に、以下の2種類に大別することができます。
- 現物のステータスを現場で目視確認する「実地棚卸」
- 台帳上の数値をもとに在庫高を算出する「帳簿棚卸」
1.実地棚卸とは?
実地棚卸とは、実際に物品の保管場所まで向かい、現物現品を目視確認し、状態や数量をひとつひとつ確認する作業のことです。
「現物確認」「現物実査」とも呼ばれます。一般に棚卸しと言えば、実地棚卸を指すことが多いでしょう。
2.帳簿棚卸とは?
入出庫などのデータが記録された管理台帳の数値をもとに在庫高などを算出する作業のことです。
通常は会計ソフトなどを利用して実施します。入出庫のたびに記録をつけることが一般的なので、特定の時期に集中して棚卸し作業を実施することはありません。
実地棚卸と帳簿棚卸の違い
実地棚卸と帳簿棚卸は、作業時期も作業内容もまったく異なるものです。
実地棚卸は、特定の棚卸日を設けて、現場スタッフを派遣して実際に物品をカウントするものです。一方、帳簿棚卸は、日常的に記録しているカウント数をもとに、管理台帳上で計算してはじき出す棚卸し作業になります。
会計上の管理である帳簿棚卸には、実際に現物をカウントするという実働が伴わない点が、大きな違いになります。
実地棚卸に今すぐ使えるIT台帳の作成方法
現場作業である実地棚卸を、アナログな作業方法で実施していては、膨大な時間と手間がかかります。
人海戦術になりやすい実地棚卸を、スピーディーに省力化するべく、管理台帳のIT化に着手しましょう。
棚卸し作業を効率化できる物品管理システムのコンビベースの台帳機能をご紹介します。
だれでも簡単!棚卸しを効率化できるシステム台帳とは?
棚卸し業務から日常の貸出管理業務まで、何にでも利用しやすい固定資産管理台帳や在庫管理台帳は、オンライン上でらくらく作成しましょう。
台帳情報の参照は、専用アプリで管理ラベルを読み取るだけ。その場で編集も可能。
編集した結果は自動的にクラウド台帳に同期されるため、いつでもどこでも、どの端末からでも台帳情報を管理できます。
スマホひとつでサクッと!かんたん実地棚卸の方法
実地棚卸に対応した物品管理システムのコンビベースを使えば、面倒な棚卸し作業のほとんどを自動処理することができます。
スマホやハンディスキャナーをバーコードやQRコードにかざし、システムがコードを読み取るのを待つだけ。
ステータスの確認や台帳情報との突合は、システム側が自動的に処理するため、手間は0です。わざわざ手作業で情報を見比べたり、現物を目視確認したりする必要はありません。
これでわかる!棚卸しを自動処理してエラーを0にする方法
システムを使ってどのように棚卸しを実行するのか、実際に物品管理システムのコンビベースの棚卸しアプリ画面を用いて、作業フローを解説します。
あらかじめ、各端末に専用アプリをダウンロードしておきましょう。
また、棚卸し作業の管理者の方は、PCブラウザでコンビベースの管理画面にログインしておきます。
作業工程1.棚卸しを開始する
PC操作をする管理者の方から作業をはじめます。ブラウザでオンライン台帳を開いたら、棚卸しの対象物品を選択し、「棚卸し開始」ボタンをクリックします。
作業工程2.棚卸し対象物品のデータリストを受信する
現場の実施者の方は、スマホやタブレットでアプリを起動し、棚卸し画面にログインしておきましょう。
台帳を開いている管理者が「棚卸しの開始」ボタンをクリックすると、各現場の担当者はアプリ上から棚卸し対象の物品データを受信できるようになります。
作業工程3.棚卸し作業の実施場所を選択する
実施者の方は、データをもとに、作業の実施場所を選択しましょう。
「本社」「支社」など、複数拠点でもスムーズに棚卸しを同時進行することができます。
もちろんフロアなどの詳細情報も指定可能です。
実施場所を指定すると、その場所に保管されている対象物品が一覧表示されます。これで準備完了です。
作業工程4.リスト上の物品をスキャンする
各実施者の方は、スマホやタブレットをかざして、物品をスキャンしていきましょう。
わざわざ目視確認したり、リストとにらめっこして情報を突合する必要はありません。システムが自動的に読み取った結果と台帳情報とを突合します。
作業工程5.スキャン後はデータを送信するだけ
リスト内にある物品を漏れなくスキャンしているかどうか、画面上で確認しましょう。
※「未実施」タブをタップすれば、まだ読み取りしていない物品をすぐに確認することができます。
対象物品のスキャンが終われば、読み取ったデータを管理者に送信します。
これで現場での棚卸し作業はすべて終了です。
作業工程6.棚卸しの結果を評価・判定する
棚卸し作業の管理者の方は、各担当者から送られてくるデータを管理画面上で確認することができます。
実施状況を比較し、台帳で管理しているデータと、今回の棚卸し結果に差異がないかどうか、チェックしましょう。結果はシステム側が自動判定してくれます。
作業工程7.結果を台帳に自動反映する
棚卸しの結果は、クラウド管理している物品台帳にそのまま反映できます。
手作業で情報を加筆する必要もなく、管理者の方の手をわずらわせません。
元データとは異なる変更箇所(差異)があった場合でも、変更履歴が残りますから、何かあったときにも安心。
ヒューマンエラーもなく、従来の棚卸し作業のおおよそ1/10程度の工数まで、作業を省力化することができます。
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