この記事では備品管理台帳・備品管理表と呼ばれる物品管理フォーマットの作成方法を解説します。
備品管理台帳を作成すると、オフィスの什器、IT機器、在庫、消耗品などを一元管理することができます。
各備品の使用状況や保管状況をリアルタイムに把握しておけば、経費削減やセキュリティ強化の効果だけでなく、固定資産税などの節税メリットもあります。
記事の末尾では備品管理台帳のエクセルテンプレートの無料ダウンロードも可能です。台帳の作成方法とともに、ぜひ参考にどうぞ。
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目次
備品管理台帳とは?
備品管理台帳とは、社内に散在している物品をひとまとめに管理するための管理表です。
「物品管理台帳」「資産管理台帳」「備品台帳」といった名称で呼ばれることもあります。
Excelなどの表計算ソフトで手作りすることもできますが、近年は、SaaSの専用システムやアプリが普及し、低コストでソフトを利用できるようになりました。
備品管理表の管理対象
台帳には、備品を区別するための管理番号とともに、「名称」「保管場所」「利用状況」「購入日」「保証期間」など、さまざまなデータを入力して保管します。
あわせて付属文書データのURLを添付して管理すると便利です。備品と紐付けて「マニュアル」「契約書」「保証書」などを同時管理している企業も少なくありません。
備品台帳の使用方法
備品のステータスに変更があった場合には、都度、台帳の記載情報を実態に即した内容に書き換えます。
保管場所の変更、破損や故障による修理など、各備品の状態・状況をリアルタイムに把握しておくと、「遊休品があるのに重複して購入してしまった」「利用予定の備品がメンテナンス中で使えなかった」といった事態を防ぐことができます。
アプリやブラウザなどで組織内の誰もがいつでも台帳を閲覧できる状態にしておけば、貸出し管理や在庫管理もスムーズになります。
備品管理台帳の作成方法
まずは、エクセルやスプレッドシートなどの表計算ツールを使用した管理台帳の作成方法から解説します。
基本的には、各列に管理用の入力項目を設け、各備品に関する情報を行単位で入力する形式にするとわかりやすいでしょう。
エクセル台帳のフォーマット(見本)
入力項目を過不足なく設けることがフォーマット作成時のポイントです。
備品管理の目的に応じ、適切な管理項目を考案してから作成に取りかかりましょう。
フォーマットの作成時に適切な項目を設定しなければ、備品管理の実施メリットを享受しにくくなります。
台帳作成時に設けるべき項目については以下の解説と具体例を参考にしてください。
備品管理台帳の基本の記入項目
備品管理台帳に記載すべき項目の例をご紹介します。
どのような管理目的で実施する場合であっても、以下の記入項目は、最低限設けるべき共通項目と言えます。備品管理台帳のフォーマット作成時の参考にどうぞ。
1.管理番号
管理番号は、各備品を識別する上での必須情報です。すべての情報の起点となるため、台帳の最左列に入力欄を設けるとよいでしょう。
なお、ここで設定した管理番号は、印刷して備品現物に貼付するなどして、備品現物と照合できるようにしておく必要があります。
2.備品種別・カテゴリ
台帳上で情報検索する際に使用する項目です。
備品点数の多い企業の場合、たとえば「IT機器」「オフィス家具」などの大カテゴリと、「PC」「椅子」「ACアダプター」などの小カテゴリとを、2~3段階に分けて設定しておくと検索しやすくなるでしょう。
※作成時にはAmazonなどのECサイトのカテゴリ分類を参考にしてみてください。
3.名称・品名
たとえば「Apple Macbook Air 2020」というように、メーカー名やモデル名、型番を記載しておけば、より短時間で目当ての備品現物を探し出すことができます。
備品現物を探す際、ラベルに記載した管理番号だけを頼りに該当の備品を探し出すのは骨の折れる作業です。正しい名称を記載して誰もがわかる状態にしておきましょう。
4.ステータス(稼働中/遊休品/故障中/メンテ中/廃棄済/貸出中/待機中 など)
おもに備品の検索時に従業員が使用する項目です。
たとえば新しい備品が必要になった時、購入前に、ステータス欄を「遊休品」でソートして確認すれば、未使用のまま死蔵されている備品がないかをチェックすることができます。
備品台帳でデータ管理すべき任意記入項目
必要に応じて備品管理台帳上に設けるべき記入項目例もあわせてご紹介します。
情報管理は必須ではないものの、設定しておくと日常の備品管理の運用がスムーズになる便利な入力項目もあります。組織の管理目的に応じてリスト化しましょう。
1.事業所、部屋番号、棚番号 など
備品の保管場所や設置場所に関する情報を入力する項目です。
管理する備品点数が多い場合や、複数の事業拠点・複数の部屋がある企業は設けておくと便利でしょう。目当ての備品を探し出す時間を短縮できます。
2.管理部門、管理責任者、使用者 など
備品に対する責任の所在を示す項目です。各備品の管理責任者や管理担当部門を定めておけば、「紛失や破損、故障時に誰が対応するか」が明確になります。
購入の決済を行った人を「管理責任者」と定めるルールにすれば、備品の過剰購入を防ぐ効果も期待できます。
3.購入先、購入金額、購入年月日、シリアルナンバー、メーカー など
備品の取得に関する情報を入力する項目です。
消耗品のように繰り返し購入する備品を管理する場合、「購入先」欄に発注先のURLや電話番号などを記載しておくと、台帳から誰でも発注作業ができるようになり、管理担当者の負担軽減につながります。
4.保証の有無、保証期間、保証書、保守契約の有無、保守会社情報 など
備品の保証や保守(メンテナンス)に関する情報を入力する項目です。保守契約をしている場合は、必ず設けておきましょう。
保証書や保証番号を紛失すると保証が受けられなくなることがあるので、保証に関する情報を入力したり・保証書を添付したりする欄を設けておくことをおすすめします。
5.耐用年数、資産科目、取得価額 など
備品管理台帳を流用して固定資産の現物管理にも同時に利用する場合、これらの固定資産管理に関する項目も設けておきましょう。
決算時に経理担当者に確認してもらうことで、決算書の内容が正確なものになり、節税にも寄与します。
6.棚卸要否、ラベル発行日、棚卸データ反映日、棚卸データ反映者 など
棚卸しに関する情報を入力する項目です。こちらも固定資産現物管理を行う場合には設けておくべき項目となります。
7.リース会社、リース開始日、リース終了日、リース金額 など
備品管理台帳でリース品管理も行う場合は、上記のリースに関する情報を入力する項目を設けておきましょう。
8.登録年月日、登録者、入力・更新年月日、入力・更新者 など
更新履歴管理のための項目です。備品の重複登録や更新ミスなどを特定するのに役立ちます。
エクセルで台帳作成する場合の3つの注意点
初期作成時に備品情報を過不足なく登録しておけば、管理台帳を覗くだけで備品の状態・利用状況・メンテナンス時期などを把握することができ、適切に管理を実行できるようになります。
作成後の管理業務をスムーズに進めるために、台帳作成時に気を付けたい3つのポイントを解説します。
1.備品データの管理効率を検討する
情報不足はもちろんのこと、情報を過剰に充実させればよいというものでもありません。備品情報の過不足が偏ると、台帳更新の手間が重なり、管理効率が低下しやすくなります。
効率のよい備品管理を進めるために「台帳情報を把握しやすくする」「現物を特定しやすくする」という視点を盛り込んで台帳を作成するとよいでしょう。
備品名称や場所を書き込むだけでなく、台帳作成のタイミングで写真を撮影・添付して備品を特定しやすくするのも有効な手法です。
2.備品の管理単位を統一する
- 上下に連結する「キャビネット」
- 椅子と机がセットになっている「応接セット」
- 「モニター」と付属する「ケーブル」
- 「パソコン本体」と付属する「ACアダプタ」
これらの備品は、別々に管理することも一式でまとめて管理することも可能です。
問題なのは、いずれにも統一せず、どのような単位で管理すべきか全員が把握せずに台帳作成を進めてしまうケースです。担当者ごとに台帳の記載内容にばらつきが発生すると、備品が見つからず、探し出すのに時間がかかってしまうことも。
事前にしっかりと管理単位を決めた上でルールに沿った台帳運用を進めましょう。
3.台帳表記の揺れを防ぐ
複数人で台帳情報を追加・更新する際に注意を要するのが、台帳上の表記揺れです。
たとえば、“令和3年” と “2021年”、“2階” と “2F”、“パソコン” と “パソコン” など、ひとつの管理項目に複数の備品表記が混在すると、台帳の検索性が下がってしまいます。
- 「和暦・西暦」「半角・全角」などの表記ルールを統一する
- データ規則を設定して規則外のデータを入力できないようにする
- テキスト入力ではなく選択形式にする
などの対応をあらかじめ施しておくと、各項目で表記が混在しなくなるはずです。
手作り不要!スマホアプリでかんたんに備品管理できる
備品管理台帳は、手作業でエクセルで手作りすることもできますが、現場の担当者に相当な負担がかかります。
作成後の運用時にも、棚卸しによるデータ更新などを手作業で毎年実施する羽目になるため、常にヒューマンエラーのリスクにさらされます。あまり現実的な選択肢とは言うことができません。
そこで私たちは、Convi.BASE(コンビベース)という備品管理システムを開発しました。
備品の情報入力は、管理ラベル(バーコードやQRコード)にスマホやハンディーターミナルをかざしてスキャンするだけ。
自動的にクラウド台帳に情報が同期されるため、いつでもどこでも、らくらく備品管理できます。
台帳作成も情報入力もらくらく自動化
PC・タブレット・スマホなど、従業員に配布しているすべてのIT端末からアクセス可能です。もちろんアクセス権限のコントロールもできます。
日常的な備品の貸出しや在庫点数の把握はもちろん、棚卸し業務もほとんど自動化します。15分程度の作業時間で完了する企業も増えてきています。
備品管理台帳の作成はもちろん、消耗品管理台帳も在庫管理台帳も、何でも作れるConvi.BASE(コンビベース)を、ぜひ一度おためしください。
社内に存在するすべての情報をリアルタイムに正確に把握したい組織におすすめです。
備品管理台帳(備品管理表)エクセルテンプレート
本テンプレートは、物品管理システムのConvi.BASE(コンビベース)から出力できるCSVファイルをエクセル形式に変換したものです。本記事を読んでいただいた方に、こちらの備品管理台帳のエクセルテンプレートを無料配布します。
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まとめ
備品管理台帳は、管理を行う目的に合わせて、適切な入力項目を設けておくことが非常に重要です。また、台帳を作成して終わりではなく、適切に管理・運用してこそ効果を得られます。
管理部門が手順を守り、担当者が責任を持って備品管理を実行する必要があります。
まずは、「物品を購入・廃棄する際には上長から承認印をもらう」「貸出し・返却の際には必ず記録を残す」といった運用ルールを策定しましょう。管理部門の担当者が効率よく運用しやすいルールを設定し、マニュアルやガイドラインの形式で文書化してください。マニュアルは、備品を取り扱う人の目に入りやすい場所に置いたり、掲示したりすることをおすすめします。