私たちは物品管理の専門集団として日々さまざまなお客様からご相談をいただきます。その中でも特に多くの相談をいただくのが製造業のお客様です。製造業の現場において、管理対象となる物品は製造設備から部材まで幅広く存在しますが、特に「金型」はどのように管理すれば良いか分からないという声を多く耳にします。
そこで今回の記事では金型管理の課題と管理方法をご紹介します。
金型管理の課題
金型管理の課題としてよく耳にするのが
- 協力会社に金型を貸出すことが多く、所在不明になってしまうことがある
- 棚卸しに手間がかかっているので効率化したい
というものです。
Excelや紙の台帳を使って管理していて、現物と台帳に乖離が発生してしまうケースが多いようです。
物品管理のポイントは「管理ラベル」
一般的に物品管理では以下の3つのポイントが重要になります。
- 管理台帳の整備
- 管理ラベルの貼付
- 定期的な棚卸し
なかでも重要になるのが「管理ラベルの貼付」です。
管理ラベルを貼付する目的は、
- 会社として管理している物品だということがわかる
- 現物を特定するのに役立つ(台帳と現物を紐づけて管理することができる)
などがあります。
さらにバーコード・ICタグ等が付いた管理ラベルを用いれば、棚卸しや貸出し管理、ステータス更新などの際に正確かつ効率よく管理することが可能になります。
しかし、金型は熱・油・衝撃などに晒されることもあり、一般的な管理ラベルでは劣化や剥がれによる読み取り精度低下の可能性が高くなってしまいます。そのため「管理ラベルを貼ることができないので、適切な管理方法が分からない」と悩まれている方も多いようです。 そこで次の項では、一般的な管理ラベルを使わないで金型管理を実施する方法をご紹介します。
金型の管理方法
①金型を保管するラックや箱に管理ラベルを貼付する
金型に直接ラベルを貼らない方法です。金型を返却する際には、決められた場所・箱に戻すようルールを決め、運用していく必要があります。
②バーコード・ICタグ付きのマグネットを金型に貼付する
- 金型を使用する時にはマグネットを外す
- 返却する際には対になっている同じ管理番号のマグネットを再度貼付する
という運用が一般的です。
①の方法と同様に、使用・返却時のマグネット貼付ルールを事前に決めて運用していく必要があります。
③金型にバーコードを刻印する
直接刻印するため、汚れ・剥がれなどによる読み取り精度の低下を防ぐことができます。
④特殊な耐熱ラベルを貼付する
ラベルシールの中には高温に耐えられるものもあります。熱が加わることでより粘着力が増すという特徴を持つ耐熱ラベルもあり、ラベルによる金型管理をより便利にしてくれます。
物品管理システムを使って金型を適正管理!
物品管理システムを使って金型管理を行う場合には、ICタグやバーコード等を読み取って処理を行います。 物品管理システムの活用で、棚卸し・貸出し管理・ステータス更新が効率よく行えるのはもちろんですが、その他にも
- 遊休状態の金型リストを作成し、現状を把握
- アラートメールを使って返却期日を漏れなく管理
- 金型のメンテナンス履歴を記録
などが可能になります。

Excelや紙での管理に限界を感じている方はシステム化を検討してみてはいかがでしょうか。 物品管理システムについて気になる点がありましたら、お気軽にお問合せください。
◆◆さて、いかがでしたでしょうか。
一般的なオフィス備品とは異なる過酷な環境で使われる「金型」だからこそ管理方法を工夫する必要があります。金型管理にお困りの方は、今回の記事を参考に管理を見直してみてはいかがでしょうか。
このブログが皆さまの「モノの管理のヒント」になれば幸いです。
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