整備士や技術者など、工具を扱う人にとって「工具管理」は手を抜くことのできない重要課題です。万が一、紛失した工具が原因で事故が起きてしまった場合、会社が損失を被るのみならず、人の生命に危害を及ぼしてしまう可能性があります。
本記事では、そんな工具を紛失から守る具体的な管理方法と、管理を効率化するシステムについて解説します。
目次
工具管理の基本ルールと6つの策定の流れ
工具管理に取り組む際、まず押さえるべきポイントとして、次の6点を挙げることができます。
1. 保管場所を決める
工具を管理する第一歩は、保管場所を明確にすることです。
保管場所が明確になっていない場合、使用後に「戻す」という習慣が生まれません。これでは、仮に紛失していたとしても、その事実に誰も気が付かないという非常に危険な状態になります。早急に保管場所を設けるようにしましょう。
ポイントは、保管場所は社内の人目に触れる場所に設けること。できるなら、工具が揃っているかどうか、ひと目で分かるようにしてください。
たとえば、使用者ごとに、並べて壁に掛けて保管する、などです。
2. 管理台帳(管理表)を作成する
台帳(管理表)も工具管理の基本です。現在台帳がない場合は、早急に作成する必要があります。
台帳とは、社内のすべての工具の情報をまとめた目録のようなものです。
各列に、管理番号、工具名、使用者、保管場所、購入日、棚卸し記録などの情報を記載する項目を設け、1行に1つずつ工具の情報を入力していく形式で作成します。
台帳は、工具管理の責任者が定期的に更新し、最新の状態を保つようにしましょう。
3. 管理ラベルを貼る
ほとんどの企業は、同じ種類の工具を複数保有しているはずです。これらの工具を、目印なしに見分けるのは難しいでしょう。
そこで必要になるのが管理ラベルです。
工具ひとつひとつを見分ける目印として、管理番号を記載したラベルを作成し、工具に貼り付けておきましょう。
4. 定期的に棚卸しを行う
定期的に棚卸しを行い、工具が揃っているか確認するのも、紛失を防ぐポイントです。
頻繁に持ち出す場合は、持ち出しを行う度に実施するのが望ましいでしょう。
あまり持ち出さない企業の場合は、「四半期~1年に一度」程度の頻度で棚卸しを行い、すべて揃っているか、ラベルは剥がれていないか、買い替えの必要はないか、などのチェックを行うようにしてください。
5. 管理ルールを策定する
工具を扱う各スタッフに遵守すべきルールを策定することも重要です。
保管場所、台帳、ラベルなど管理に必要なツールが揃っていても、使用者が使いこなせなければ工具管理はできません。ツールが適切に活用されるよう、ルールを定めておく必要があります。
たとえば、貸出し(持ち出し)・返却のルールであれば、次のような内容が考えられます。
- 持ち出す際は、台帳の「持ち出し日」欄に日付を入力する
- 返却時は、所定の保管場所に戻した後、台帳の「返却日」欄に日付を入力し、管理責任者に承認をもらう
ルールは明文化し、保管場所の見えやすい場所に掲示するなどしておくのがおすすめです。
6. 管理責任者を任命する
保管場所、台帳、ラベルなどツールを揃え、管理ルールを浸透させたとしても、管理に責任を持つ人が明確でなければ、自律的な運用はできません。万が一、問題が発生した場合の責任の所在も分かりにくくなります。
必ず工具管理責任者を任命し、権限と責務を定義するようにしましょう。管理の精度を人事評価の項目に含めておくことも効果的です。
くりかえす工具の紛失を改善するには?工具管理システムの比較方法
工具管理の手間を減らし、同時に管理の精度を高めるには、自動化システムを利用するとよいでしょう。
近年はSaaSツールが登場し、低価格で工具管理を自動化できるようになりました。
工具管理システムの選び方のポイント
工具管理に利用するシステムを検討する際には、外してはいけないポイントがいくつかあります。
以下の機能を標準的にそなえているシステムが望ましいと言えます。
- QRコード(バーコード)・ICタグ管理ラベルを発行できる
- 貸出し(持ち出し)・返却機能を備えている
- 棚卸し機能を備えている
- 紛失時の探索機能を備えている
- スマホアプリから操作できる
事前に資料などを集め、これらの条件を満たしているかチェックするようにしましょう。
物品管理システムの工具管理は圧倒的に便利
自動認識技術を駆使した物品管理システムのConvi.BASE(コンビベース)は、工具管理に最適です。
ヒューマンエラーを0にしながら管理を効率化できます。大掛かりなハードウェアを用意する必要もなく、必要な機能だけを検討しながら最低限のコストで導入することができるSaaSツールです。
管理システムの利用で工具管理はどう変わる?
Convi.BASE(コンビベース)の導入前後で、日々の工具管理がどう変わるのか、具体例を交えて紹介していきます。
① 棚卸し作業
② 貸出し(持ち出し)・返却時の操作
③ 紛失時の対処法/紛失対策
④ 校正管履歴の記録作業
① 棚卸し作業
【Before】棚卸しリスト片手に、目視・手入力で工具をひとつずつチェック
- 一つずつ目視で確認し、手書き・手入力で記録するため長い作業時間を要する
- 目視に頼っているため、確認ミスの可能性がある
- 手書き・手入力で記録するため、入力ミスの可能性がある
- 棚卸し結果を人力で台帳に反映するので時間がかかり、ミスが発生する
【After】管理ラベルをスマホでスキャン
- 棚卸し工数を1/3~1/10に削減
- 「ラベルを読み取る棚卸し」で誰が行っても正確な結果を収めることができる
- 棚卸し結果はシステム上に記録され、台帳への反映も簡単
② 貸出し(持ち出し)・返却時の操作
【Before】紙の台帳に名前や日付を記入/エクセル台帳に名前や日付を入力
- 台帳への記入・入力が面倒。手間がかかる
- 記入・入力漏れ、記入・入力ミス、文字を解読できないなどの問題が起きやすい
- 誰がどの工具を持ち出しているか分かりにくい
- 同時編集できない可能性がある
- 返却期限管理ができない
【After】アプリを立ち上げ、工具のラベルをスキャン
- 管理ラベルをスキャンするだけで「誰が」「いつ」「何の工具を」持ち出したか自動的に記録されるので、操作時間が短縮する
- 機械的に記録するので正確性が高い。ミス・エラーが無くなる
- 表形式だけでなくガントチャート形式など表示形式を変えられるため情報の把握がしやすい
- 返却期日や返却状況に応じてアラートメールを配信できるので、返却漏れを防げる
- 貸出し予約機能があるので、1つの工具を複数人で共有している場合にスケジュール調整できる
③ 紛失時の対処法/紛失対策
【Before】人力で工具を見つける
- 必要な工具を探すのに時間がかかる
- 工具の置き忘れをチェックする方法がない
【After】レーダー探索機能で工具を見つける
- 音とレーダーチャートにより短時間で工具を発見
- 現場から撤収時に探索機能を起動することで置き忘れチェックができる
【ICタグリーダ使用時の探索画面】
自分から見て、工具がどの方向にあるのか、どのくらいの距離にあるか、レーダーチャート上に表示されるため、工具を探しやすくなります。
④ 校正履歴の記録作業
【Before】台帳に校正期日・校正履歴を記入/入力する
- 工具の校正漏れが発生する
- 校正期日の管理に手間がかかる
- 校正情報を一元管理したい
【After】 システム上で自動記録
- 管理ラベルを読み取れば工具の校正期日を参照可能
- メールアラートで校正・メンテナンス漏れを防げる
- 誰が、いつ、どのような作業を行ったのかをシステム上に残せる
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