様々な物品の管理を効率化するツールとして「物品管理システム」があります。
物品管理システムは単なる物品台帳としての機能だけでなく、「棚卸し」や「貸出し管理」の機能を備えており、IT機器・製造設備・鍵・医療機器・制服・契約書など様々な分野のモノの管理に活用されています。
その中でも今回の記事では「工具」に焦点を当て、工具管理をシステム化するメリットや、システム化した場合に日々の業務がどのように変わるのかをご紹介します。
バーコード・ICタグを使うと何がいいの?
工具管理をシステム化する時に必要になるのが「バーコードやICタグ付きの管理ラベル」です。
では、そもそもバーコードやICタグを活用するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
一般的に、物品管理において「管理ラベル」は台帳と現物を紐づけるための重要なツールとして使われます。この管理ラベルに自動認識の技術であるバーコードやICタグを活用することで、「棚卸し」「持ち出し・返却」「入出庫」など物品のチェック・情報更新を簡単に行えるようになります。
【バーコード・ICタグを使うメリット】
- 目視チェック・手作業での台帳更新と比べ、作業効率が向上する
- 誰が実施しても均一で正確な結果が収められる(ヒューマンエラーの防止)
- いつ、だれが、どの物品の管理ラベルを読み取った/処理をしたかがシステム上に記録される
工具管理においても同様です。ICタグ・バーコードを貼付し、工具を物品管理システムの台帳と紐づけることで、
- 工具の購入日やメンテナンス日の管理
- 工具のメンテナンス・校正履歴の管理
- 工具の定期的な棚卸し
- 工具の持ち出し管理
などの作業を効率よく行うことができます。 特にICタグは複数のラベルを一括で読み取ることができるという特徴があります。「複数の工具をまとめて貸出し処理したい」「たくさんある工具の棚卸しを効率化したい」などの場合には、ICタグを活用することをおすすめします。

バーコード・ICタグ+物品管理システムで工具管理はこう変わる!(棚卸し・持ち出し・探索)
ここからはシステム化する前と後で、日々の業務がどのように変わるのかを「棚卸し」「持ち出し」「探索」のそれぞれのシーンでご紹介します。
● 棚卸し
【before】 各自が棚卸しリストを手に、目視で工具を棚卸しする

- 何日もかけて工具の棚卸し(現物確認)を実施
- 目視棚卸しのため、棚卸し精度に疑問がある
- 棚卸し後の結果反映にも手間がかかっている
【After】 工具に付いている管理ラベルを読み取って棚卸しを行う

- 棚卸し工数を1/3~1/10に削減
- 「ラベルを読み取る棚卸し」で誰が行っても正確な結果を収めることができる
- 棚卸し結果はシステム上に記録され、台帳への反映も簡単
● 持ち出し・返却作業
【before】 各自が紙やExcel台帳に「日付」「持ち出し担当者」「工具名」を記入

- 台帳への記入が面倒・手間がかかる
- 記入漏れや間違いが発生し、正確に管理できない
- 誰が、どの工具を持ち出しているのかを把握しにくい
【after】 持ち出し時・返却時に工具に付いている管理ラベルを読み取り

- 管理ラベルを読み取るだけなので、作業を効率化できる
- 管理ラベル読み取りにより、システムに「誰が」「いつ」「どの工具を」持ち出したかが正確に記録される
- システム画面上で返却すべき工具、未返却工具を簡単に確認できる
弊社が提供している物品管理クラウドサービス「コンビベース」では、iOSデバイスやハンディリーダでバーコード・ICタグを読み取り、持ち出し返却処理を行うことが可能です。
● 探索
【before】 人力で工具を見つける

- 必要な工具を探すのに時間がかかる
- 工具の置き忘れをチェックしたい
【after】 探索機能を使って工具を見つける

- ICタグリーダの探索機能を使って、効率よくICタグを見つける
例えば、ICタグリーダ「UF-2200(東芝テック社製)」の場合、レーダーチャートでICタグの探索を行うことが可能です。ICタグを取り付けた工具に接近するとアラート音で知らせてくれます。
物品管理クラウドサービス「コンビベース」の場合、
■工具を指定して、特定のICタグを探索(棚卸し時や持ち出し時)
■近くに存在するICタグを検出する(置き忘れチェック時)
の2パターンの探索メニューで、工具を効率よく探すことができます。

UF-2200の探索画面:
自分から見て、工具がどの方向にあるのか、どのくらいの距離にあるのかがレーダーチャート上に表示されるため、工具を探しやすくなります。
物品管理システムで校正管理も
ここまでご紹介した「棚卸し」「持ち出し・返却作業」「探索」の他に、工具管理で重要になるのが【校正管理】です。
物品管理システムが持つ機能を活用することで、校正管理の業務も効率よく正確に実施できるようになります。
● 校正管理
【before】 紙やExcel台帳で校正期日・校正履歴を記入して管理

- 工具の校正漏れが発生している
- 校正期日の管理に手間がかかっている
- 校正情報を一元管理したい
【after】 校正履歴はシステム上に蓄積

- 管理ラベルを読み取って工具の校正期日をチェック
- メールアラートで校正・メンテナンス漏れを防ぐことができる
- 誰が、いつ、どのような作業を行ったのかをシステム上に残すことができる
システムを活かすためのルール作りも重要
物品管理システムには工具管理を効率化するための機能が備わっています。ですが最大限システムの機能を活用するためにはシステムを含めた社内のルール作りが不可欠です。
- 新しい工具を購入したらすぐに台帳登録・管理ラベル貼付を行う
- 持ち出し・返却時には必ず管理ラベルを読み取る
など、システムや管理に関わるルールを定めた上で、工具管理に関わる社員がしっかりと実施していくことが大切です。
◆◆さて、いかがでしたでしょうか。
工具管理をシステム化した場合のイメージは掴めましたか? 物品管理システムについて気になる点がありましたらお気軽にお問合せください。
このブログが皆さまの「モノの管理のヒント」になれば幸いです。
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