現物を管理するための「物品管理システム」を導入される際には、固定資産等の登録や減価償却費を計算する「償却管理システム」とのデータ連携や、使い分けをどうするか、といった課題が必ずと言っていいほど上がってきます。もちろん「物品管理システム」と「償却管理システム」の間のデータ連携が全く必要ないケースもありますが、多くの場合には両方のシステムで管理する物品が重複するので、データをうまく連携しないと二重登録の手間が発生しますし、データの同期も複雑になってしまいます。
私たちのお客様の事例を分析すると、物品管理システム(この場合はコンビベースです)と「償却管理システム」との使い分け・データ連携の実態は、概ね以下の3通りに分類されます。
- 「償却管理システム」から「物品管理システム」にデータを連携する
- 「物品管理システム」から「償却管理システム」にデータを連携する
- データ連携せず、独立して運用する
「償却管理システム」から「物品管理システム」にデータを連携する
一番多いパターンは、「償却管理システム」に登録したデータを、あるタイミングで「物品管理システム」にインポートするケースです。このパターンは管理対象が固定資産のみの場合が多いですが、固定資産取得の初期入力はすべて「償却管理システム」で行い、月締めの処理が終了した段階で「償却管理システム」から新規取得資産の明細情報をテキストファイル等で出力し、それを「物品管理システム」に取り込んで新規追加します。
また、新規取得品だけでなく、常に全件のインポートを行うケースもあります。たとえば「月末簿価」を「物品管理システム」でも見たい場合には、全固定資産の毎月末の簿価を「償却管理システム」から「物品管理システム」に取り込んで更新する必要があります。
この場合、以下の課題が想定されるので、対処法を検討しておくことが必要ですね。
- 「償却管理システム」によっては、出力した新規物品のデータを「物品管理システム」に取り込む際に、ある程度データ加工が必要な場合がある。
- 不要列の削除や並び替え、余分な空白の削除、和暦と西暦の変換といった簡単な加工で済む場合から、管理番号の変換や各種コードの文字列変換といった多少面倒なケースもあります。
- 「償却管理システム」に登録された単位と「物品管理システム」で管理する単位が異なる場合がある。
- 償却管理上、一括登録された固定資産でも、物品管理上は明細単位(デスク○○台、椅子○○脚、収納庫○○台など)で登録し、管理ラベルも明細ごとに発行するケースなど。
- 新規取得物品への管理ラベルの発行は、通常「物品管理システム」にデータを取り込んだ後になるので、新規物品設置から管理ラベル貼付までにタイムラグが発生する場合がある。
- 「現物管理システム」でメンテナンス下物品の移動や除却、部分除却、廃棄などの情報を「償却管理システム」にどう反映するか。
「物品管理システム」から「償却管理システム」にデータを連携する
新規登録は「物品管理システム」で行い、定期的に「償却管理システム」に登録データを連携する、というケースもあります。この場合「物品管理システム」では固定資産のみならずいわゆる簿外資産も併せて管理しているケースが多く、新規登録品のうち、固定資産のみを抽出して「償却資産システム」にデータを連携する方法です。
この場合も、以下の点について十分な検討が必要です。
- 「償却管理システム」によっては「物品管理システム」から出力した新規物品のデータを取り込む際にデータ加工が必要な場合がある。
- 不要列の削除や並び替え、余分な空白の削除、コードの置き換え、など
- 「物品管理システム」での管理単位は基本的には明細単位である。「償却管理システム」では一括管理したい場合には「現物管理システム」から抽出したデータを「○○一式」のように固定資産の管理単位に合わせる必要がある。
- 通常、固定資産として計上するか否かの判断は経理部門で行うことが多い。「現物管理システム」を他の部門で運用している場合には、初期の登録時に固定資産計上するか否かの判断を誰がどのタイミングで行うか、といった課題が発生する。
データ連携せず、独立して運用する
「物品管理システム」はあくまでも物品を管理するためのツールと割り切り、固定資産を管理する「償却管理システム」とは全く別に運用するケースです。情報システム部門にて「物品管理システム」をご利用される場合に多いですね。
パソコンやサーバ、ネットワーク機器、バックアップメディアなどの様々なIT資産を管理する場合には、固定資産であるか否かに関係なく、情報セキュリティの観点から管理対象を決めるケースが多いです。このため固定資産のデータと連携する必要がないのですね。ただし、このケースでも「物品管理システム」では経理的な観点からの種別情報(固定資産、リース資産、備品、、、など)の項目を用意しておくのが一般的ですね。
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